お子さまになにかおけいこ事を取り入れようと思ったとき、あなたの頭に浮かぶのは、どんなおけいこ事ですか?
2023年10月調査の「小学生の習い事ランキング」によりますと1位 スイミング27%、2位 塾19.3%、3位 英会話15.4%、4位 ピアノ14.5%、5位通信教育10.8%、残り22.9%は何も習っていないと言う結果が出ています。

ピアノを習い事に選ぶ順位は4位である
現代の日本では、子どもの成長とともに様々な習い事が選択肢として浮上します。スイミング、英語、体操、バレエなど、多くの親が子どもに何を学ばせるべきか悩む中、ピアノは習い事としての人気順位では4位に位置づけられています。
ピアノを選ぶ理由として、「脳育に良い」「情操教育に良い」「子どもが弾きたがる」などが挙げられます。脳育という観点から見ると、ピアノは手と目の協調を促し、指の細かな動きを通じて脳の発達をサポートします。また、音楽を学ぶことで感受性や情操が豊かになり、子どもの心の成長にも大きく寄与します。
積み立てが必要なおけいこ事
ピアノは、単なるその場限りのレッスンではなく、継続的な自宅での練習が必要とされる少し特殊なおけいこ事です。スイミングや体操などの習い事は、週に2〜3回のレッスンが一般的ですが、ピアノレッスンは週に一回が主流です。このため、ピアノの上達には80%が自宅での自己練習に依存しています。
学習塾も同様に積み立て型の学習ではありますが、週に3〜5回の授業が行われるため、子どもがサポートを受けながら学ぶ環境が整っています。これは親にとっても安心材料となり、預けやすいと言えます。
一方、ピアノは自宅での練習が大半を占めるため、親子間で「練習しなさい」「やりたくない」というバトルが繰り広げられることも少なくありません。実際に、ピアノを辞める理由の80%は「練習の問題」に起因しています。
こういった状況からも、ピアノという習い事は、自宅でかなり時間を割かないと成り立たない、つまり積み立てが必要な特殊なおけいこ事といえるでしょう。

脳育にいいというけれど、手っ取り早く知育教室の方がいいのでは?
ピアノが脳育に良いとされる理由は、その特殊な媒体にあります。イメージや音という感覚を通じて脳に刺激を与えるピアノは、単なる左脳中心の知育とは異なり、右脳を中心に刺激を与えて脳を育てていきます。
音楽的な技術の習得を目的にするなら、ピアノを学ぶことで、子どもはリズム感や音感、集中力、自己表現力などを養うことができます。
知育教室や脳育に特化した塾が注目されるのは、その効果が即座に感じられるためです。親としても、同じ月謝を払うならば、直接的に「脳育」を目指す教室を選びがちです。しかし、ピアノが提供する脳への刺激は、感覚的でありながらも深いもので、単なる知育以上の効果を持っています。
そして感覚的な効果は目に見えないものなので、効果を感じられるのが10年後や15年後になります。
小さいときにピアノを弾く事で、効果が目に見えるのは遅いかもしれませんが、じわじわと効果が現れ、10年以上も効果が持続するのには、理由があります。
子どもの心を支えるピアノの力
ピアノが持つ最大の特徴は、子どもの心を支える力にあります。ピアノを弾くことで得られる感情の解放や心の癒しは、他の習い事ではなかなか得られないものです。子どもが挫けそうになった時、ピアノはその心を整え、時には励ましてくれます。
そして、ピアノでの到達感は自己肯定感を高める役割を果たします。
子どもの自殺率の高い日本において(世界で2番目に自殺率が高いと言う統計が出ています)幼いときから子どもの自己肯定感を高める習い事にピアノはピッタリだと思います。
ピアノを弾くことは、一種の自己表現の手段です。音楽を通じて自分の感情を表現することで、子どもは自分自身と向き合い、心のバランスを保つことができます。これは、ストレスの多い現代社会において、非常に重要なスキルです。

ピアノを続けることの意義
先ほど、”ピアノの効果が目に見えるのは遅い”と言うお話をしました。
効果を感じるのは遅いのですが、ピアノを続けることで得られる恩恵は、一生涯にわたって続きます。子ども時代に培った音楽の素養は、大人になってからも心の拠り所となり、困難な時期を乗り越える力となります。さらに、音楽を通じた自己表現は、創造性や問題解決能力を高め、人生における様々な場面で役立つのです。
親としては、子どもがピアノを続けることの大切さを理解し、サポートすることが求められます。練習の際に困難を感じることもあるかもしれませんが、その都度励まし、寄り添うことで、子どもはピアノを通じて成長していきます。
ピアノは人間性を成長させ、感情に訴えかける力があるからです。
時間はかかりますが、18歳までは成人として法律でも認められていないように、人間の成長はゆっくり時間をかけて育てましょうと言うことだと思います。
ピアノと他のおけいこ事の違い
ピアノと他のおけいこ事の最大の違いは、その継続性と自己練習の重要性にあります。スイミングや英語のように、すぐに成果が見えるわけではないかもしれませんが、ピアノは続けることで確実に成長が見える習い事です。また、自己練習を通じて、自立心や自己管理能力も養われます。
これらのスキルは、単に音楽の範囲を超え、人生のあらゆる場面で役立つものです。また、ピアノを通じて培った音楽の素養は、大人になってからも心の拠り所となり、困難な時期を乗り越える力となります。
私は、ピアノレッスンは単に音楽的技術を身につけるだけで無く、子どもの心を育てる最も効果のある教育だと思っています。
現代社会で求められる多様なスキルや能力を養うためにも、ピアノを習わせることは有益です。ピアノを通じて得られる感情の豊かさや心の強さは、他のおけいこ事では得られない貴重なものです。
親として、子どもにピアノを続けさせる意義を理解し、温かく見守りながらサポートし音楽のある暮らしで生活を豊かにしていただけたら嬉しく思います。